溶射 方法
溶射.comでは、溶射方法として、ガス式溶射である、高速フレーム溶射(HVOF)、ガスフレーム溶射、電機式のプラズマ溶射、アーク溶射が可能です。
高速フレーム溶射(HVOF)
◆高速フレーム溶射(HVOF)とは
溶射銃の燃焼エネルギーを高圧にすることにより、溶射銃のフレーム内に超音速の噴流をつくり、溶射材料を高い温度で溶かしかつ高速で基材に激突させることにより皮膜を形成する溶射方法です。

◆高速フレーム溶射(HVOF)の特徴
・Hv1000以上の高硬度、高密度被膜形成が可能です。
・耐摩耗性に優れた被膜形成が可能です。
・耐食性優れた被膜形成が可能です。
・膜厚の指定は、幅広く対応可能です。
・気孔、酸化物の非常に少ない良質な被膜形成(気孔率の低減)が可能です。
・均一な被膜形成が可能です。
・マスキング処理を施すことにより、部分的な被膜形成が可能です。
・基材の大きさにとらわれない表面処理が可能です。
◆JP-5000による高速フレーム(HVOF)溶射の特徴
・爆発性のない液体燃料を使用することによる高圧燃焼を可能にしたことで、皮膜の高密着性と低酸化物含有の皮膜を
実現できることです。
・燃焼室の圧力が制御できるので、皮膜の硬度を幅広く調整できます。
そのため、ワーク(加工物)の使用条件に応じた皮膜特性を得ることができます。
・基材の形状によって異なりますが、10mm以上の加工も可能です。
・カーバイト系の材料は1mm~4mmまでの皮膜形成が可能です。
高速フレーム溶射(HVOF)で使用される溶射材料
溶射.comで高速フレーム溶射(HVOF)で、使用可能な溶射材料一覧です。金属溶射材料(アルミニウム系、コバルト系トリバイト系、銅系、ステンレス系、ニッケルクロム系、ニッケル系など)、自溶合金溶射材料(Ni基など)、サーメット溶射材料(タングステン系など)などが使用可能です。その他、高速フレーム溶射で使用可能な材料がございますので、お問合せください。
区分 | 材料名 | 成分 | 機能 | |
---|---|---|---|---|
金属溶射材料 | コバルト系 | ステライト#6 | Co-Cr-W-C-Fe | 高温耐蝕・高温耐磨耗 |
トリバイト系 | トリバロイ800 | Co-Mo-Cr-Si | 耐酸化・耐磨耗・潤滑 | |
コバルト系 | コニクラリー | Co-Ni-Cr-Al-Y | 耐熱金属(耐酸化・耐食) | |
銅・銅合金系 | アルミブロンズ | Al-Bc | 耐摺動 | |
純銅 | Cu | 導電性 | ||
アルミ青銅 | Cu-Al-Fe | 耐食・耐焼付き | ||
白銅(キュプロニッケル) | Cu-Ni | 耐食 | ||
エバジュール | Cu-Si-Mn-B | 導電性 | ||
黄銅 | Cu-Zn | 銅中で加工性良 | ||
ステンレス系 | SUS420J2(マルテンサイト) | Fe-13Cr | 耐磨耗 | |
SUS430(フェライト) | Fe-18Cr | 耐食・耐腐食 | ||
SUS316(オーステナイト) | Fe-18Cr-12Ni-Mo | 耐食・耐腐食・非磁性 | ||
ニッケルクロム系 | ニッケルクロム | Ni-Cr | 下盛材料(肉盛) | |
ニッケルクロム | Ni-Cr | 耐磨耗 | ||
50-50ニッケルクロム | 50Ni-50Cr | 耐高温腐食 | ||
80-20ニッケルクロム | 80Ni-20Cr | 耐高温酸化、耐熱 | ||
ニッケル系 | ニッケルアルミ | Ni-Al | 下盛材料(肉盛) | |
ニッケルアルミモリブデン | Ni-Al-Mo | 下盛材料(肉盛) | ||
アモルファス合金 | Fe-Cr-B-Si-α | 耐食・耐腐食・耐磨耗 | ||
ニクラリー | Ni-Cr-Al-Y | 耐熱金属(耐酸化・耐食) | ||
インコネル625 | Ni-Cr-Mo-Fe-Nb | 耐塩化物 | ||
ハステロイC | Ni-Cr-Mo-Fe-W-Co | 耐各種酸類 | ||
インコネル718 | Ni-Cr-Mo-Nb-Ti-Al | 耐熱性・耐酸化性 | ||
ハステロイB | Ni-Mo-Fe-Co | 耐塩化物 | ||
モネル系 | モネル | 70Ni-30Cu | 耐ふっ酸・耐海水 | |
自溶合金溶射材料料 | NI基 | ニッケルクロムタングステン | 35Wc-NiCr | 耐磨耗 |
SFNi5(メテコ15E等)Ni基自溶合金5種 | Ni-Cr-B-Si-C-Fe-Co | 耐磨耗・耐摺動・耐エロージョン | ||
SFCo2(メテコ18C等)Co基自溶合金2種 | Ni-Cr-B-Si-C-Fe-Co-Cu | 高温耐磨耗・耐食(HRC50~60) | ||
SFNi1(メテコ12C等)Ni基自溶合金1種 | Ni-Cr-B-Si-C-Fe-Co-Mo-Cu | 耐食・耐熱・耐衝撃(HRC15~30) | ||
SFNi4(メテコ16C等)Ni基自溶合金4種 | Ni-Cr-B-Si-C-Fe-Co-Mo-Cu | 耐磨耗・耐食・耐熱(HRC50~60) | ||
SFCo1(メテコ18C等)Co基自溶合金1種 | Ni-Cr-B-Si-C-Fe-Co-Mo-Cu | 高温耐磨耗・耐食(HRC35~50) | ||
SFWC1~4(メテコ31C、35C等) | WC(超硬)含有、Ni・Co基自溶合金 | 耐磨耗 | ||
サーメット溶射材料 | タングステン系 | タングステン系 | 88Wc/12Co | 耐磨耗、硬度Up |
Cr3C2-25NiCr | Cr3C2-25NiCr | 耐磨耗Hv>800、硬度up、高温耐食 | ||
タングステン系 | Wc/Co | 耐磨耗、硬度Up | ||
タングステン系 | Wc/Co/Cr | 耐磨耗、硬度Up、再生補修 | ||
タングステン系 | Wc/NiCr | 耐磨耗 |
高速フレーム溶射(HVOF)の用途・対象業界/ワーク
高速フレーム溶射(HVOF)を適応する、用途・ワーク(部品)の例です。
溶射方法 | 用途・ワーク | 簡単な説明 | 業界 |
---|---|---|---|
高速フレーム溶射(HVOF) | 屋外ボックス、化学工業用部材、鉄鋼製品各種 | ||
高温部材 | |||
高速軸受け等 | |||
耐熱部品、エンジン部品等 | |||
油圧ピストンロッド | 慴動部へのコーティング | 機械 | |
抗菌用途、伝熱管、アンティーク調部材 | |||
抗菌用途、伝熱管、アンティーク調部材 | |||
海水用部材、化学工業部材 | |||
海水用部材、化学工業部材 | |||
熱交換器、耐海水用途 | |||
純銅より高強度 | |||
黄金色装飾、抗菌用途 | |||
各種摺動部品軸部、硬化肉盛補修 | |||
厨房機器類、応力腐食割れ緩和 | |||
SUS304部材補修、沿岸部材 | |||
SUS304部材補修、沿岸部材 | |||
クランク軸 | 摩耗部の再生 | エンジン | |
ロール軸 | 摩耗部の再生 | 製造 | |
キャプスタン(ベアリング) | 摩耗部の再生 | 伸延 | |
高温部品、硫化腐食緩和 (石炭・重油系部材) | |||
高温工業用部品、ごみ焼却炉 | |||
溶射被膜を剥がれ難くする、テフロン下処理 | |||
モーター軸 | 摩耗部の再生 | メンテナンス | |
モーター軸カバー | 摩耗部の再生 | メンテナンス | |
ボイラー管、各種摩耗部材 | |||
耐熱部品、エンジン部品等 | |||
耐各種酸装置、ボイラー管 | |||
耐各種酸装置、ボイラー管 | |||
耐各種酸用部材、化学装置、熱処理炉用部材 | |||
耐各種酸用部材、化学装置、熱処理炉用部材 | |||
耐熱部品、エンジン部材 | |||
耐塩酸用部材、酸洗設備部材 | |||
耐海水用部材 | |||
カキ取り板 | WC系コーティング(板の先端部) | 製造 | |
湯口ドリル | WC系コーティング(ドリル外面) | 製造 | |
送風機羽根 | WC系自溶性コーティング(羽根上面) | 製造 | |
溶射被膜の中で、特に気孔が少なく密着強度の高い被膜です。ポンプ部品・スクリュー・スリーブ・バルブ | |||
ボイラー部品・ローラー・シャフト・プランジャー、キャプスタンローラー、ガイドロール | |||
WC(超硬)含有である為、特に激しい摩耗環境下に強い被膜 タガネ・機械爪等 | |||
ロータリーバルブケーシング | 内面へのWC系コーティング | 紛体 | |
ロータリーバルブスフィングBOX | 内面へのWC系コーティング | 紛体 | |
コレットチャップ | WC系コーティング | 機械 | |
軸スリーブ | 摩耗する箇所へ超硬コーティング | 製造 | |
ポンプ軸 | 摩耗する箇所へ超硬コーティング | 製造 | |
ミキサー羽根 | 全面WC系コーティング | 紛体 | |
搬送スクリュー | 羽根へのWC系コーティング | 紛体 | |
中心的用途は耐食・耐磨耗環境、クロムメッキの代替技術として有望。 | |||
各種ロール、製紙用部品、高圧プランジャー、 スクリュー、パワーショベル、ライナー、ボイラー、 キャプスタン、化学プラント、ごみ焼却炉部品 | |||
製鉄、金属工業、化学工業、機会工業、製紙、印刷工業、土木等様々な分野で多用されている。 |
高速フレーム溶射(HVOF) 事例
高速フレーム溶射(HVOF) Q&A
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